ゆっくりとしたテンポから♪
外の寒さも少しずつ増してきましたが、明日もさらに寒くなりそうです。。。
防寒対策は万全でしょうか?
さて、先日、日本の音楽大学からアメリカに渡り、とあるマーチングの大会で優勝した関東の友人から連絡がありました。
現在は、日本で一般企業に所属しながら、国内屈指のマーチングのコーチも兼任しており、
はた目から見れば、エリート街道を歩んできたように見えますが、
様々な選択を経て、現在があります。 そんな彼からは、色々な「名言」をもらっていますが、
大学に入学するにあたり、スネアドラムのほかに、ピアノの課題曲を弾かなくてはならなかったそうです。
しかし、その時点で、彼はピアノが弾けませんでした。
マーチングスネアドラムに関しては他を吹き飛ばすほどの実力はあったのですが、
ピアノに関しては、全くの素人。しかし、この試験を落としては、大学に入学することが出来ません。
残り少ない時間で、一からピアノの課題曲の練習を始めました。限りなく無謀な試みのように思えます。
しかし、彼はとあることに気づいていたのです。 「テンポ」の指定が無かったことに。
課題曲におけるテンポ指定が明確に定められていれば、そのテンポで弾かなければならず、 速ければ速いほど、正確に弾くことが出来ません。 このポイントに気づき、ゆっくりと丁寧にピアノを弾き始めました。

ゆっくり、丁寧に、焦らず始めたことで、ピアノの技術を補うだけでなく、
他の受験生たちがテクニカルにすばやく弾いている中、 スローテンポで彼が弾く課題曲はより音楽的なものになり、
逆に称賛され、合格を勝ち取ったそうです。
その後の活動も、自分なりのテンポをとりながら、出来なかったことを出来るようにしていったそうです。
人に追いつくため、焦るあまりに早く何とか結果を出そうとして、何事も速く、早く、という世の中でもありますが、
ポイントを見据えて、じっくりと対策してゆくのも大切だと思わせるエピソードでした。